八雲琴はとても不思議なお琴です。
今までにいろいろな不思議なことがありましたが、八雲琴とわたしの出会いのエピソードをお話しさせていただきます。
15年ほど前、当時わたしは夫の転勤で愛媛県西条市に住んでいました。石鎚山の麓で水が豊かでおいしいので有名なところです。最初は単身赴任を考えていたのですが、転勤先が四国と聞いて思わず「一緒に行く!!」と言ってついていったのでした。
引越しして落ち着いたころ、近くに13弦のお琴の教室があるのを見つけて、入門しました。ホツマツタヱのアワ歌に伴奏を付けたかったからです。3か月くらいで六段の調べが弾けるようになってもアワ歌の伴奏は一向に進みませんでした。
そんなある日、確か言魂についてネットサーフしていたところ、八雲琴というお琴があることを知りました。その晩ヤフオクになんとそのお琴が出品されているのを見つけ落札しました。届いたのはボロボロのお琴でした。
私はすぐにネットでこのお琴を修復してくれるところを探したところ、京都にただ1件八雲琴の製造をしている職人さんがいることを見つけて、すぐに電話しました。すると奥様が出てこられて、話しているうちに私が愛媛県西条市に住んでいるのを知り、とても喜ばれて、何かと思ったら、奥様はご出身が西条市の隣の新居浜市だったということで、快く引き受けてくださいました。それで私は早速お琴を持って京都に伺いました。
とても古い町並みの一角にありました。奥様が出ていらして、「実はあの後主人に叱られました。一見さんはお断りするように言われていたんです。」と言われました。するとご主人が出ていらして、はるばる愛媛から出てきたので追い返すわけにもいかずしぶしぶ「こういうお琴なので、修復には時間がかかります。3年くらい考えていてください。」と言われました。私はちょうど龍笛も練習したいと思っていたので、お琴が届くまでの間に龍笛を練習すればいいかと思い、「はい、わかりました。お願いします。」と言って帰りました。
3か月たったある日、「お琴の修理が出来ました。」と連絡が入りました。3年と言っていたのに??と不思議に思いましたが、急いで引き取りに行きました。そこにはあのぼろぼろのお琴が見事によみがえっていました。3年かかるはずが3か月で戻ってきてくれました。
八雲琴を演奏するのに必要なものを一式そろえて帰りましたが、さてどうやって弾くのかさっぱりわかりません。ネットで八雲琴を検索していると、江戸時代に復元した中山琴主の生まれ故郷が四国中央市でそこに八雲琴の資料館があるのがわかりました。近くには八雲神社もあります。資料館に行けば何か手がかりがわかるだろうと週末に行くことにしました。
ところがその日、朝から頭痛が出て寝込んでしまいました。せっかく手がかりをつかめると思っていたのに・・・と思っていると、お昼過ぎにピタッと頭痛が止まってしまったのです。この時間なら十分行けると思ってまずは八雲神社にお参りをしてから資料館に行くことにしました。
八雲神社で手水していると何やらお琴の音が・・・、振り返ってお社の方を見てみると巫女装束をつけた子供が6人くらい、八雲琴を弾いているではありませんか・・・
あっ、八雲琴がこんなにたくさん・・・
と思ってのぞき込んでいると、中からひとりの女性がでていらして「どうかなさいましたか?」と聞かれるので、今までのいきさつを話しました。すると「どうぞお上がりください」といって、八雲琴の演奏を間近で聞かせてくださいました。私は感激してしまって、「入門させてください!!」と言うと快く受けてくださって、翌週からお稽古に通うことになりました。この女性が近藤先生と言って八雲神社の元宮司さまで、八雲琴の研究を熱心にされていらっしゃる方でした。私の大大大好きな先生です!
後でわかったことですが、その日はたまたま文化祭のリハーサルをするために集まっていたそうで、私が午前中に頭痛がでて出かけるのが遅れたために出会えたのでした。
翌週、意気揚々とお稽古に向かい、手ほどきを受けて帰る途中の車の中でふと、「アワ歌に伴奏が付けられる」と思いました。家に帰って早速習いたてのお琴を弾いてみると、、、今まで歌っていた音程のまま、いきなり八雲琴の伴奏がついたのでした。!!
そして、このお琴のことを調べていると「八雲琴の調べー神話とその心」窪田英樹著にこのお琴を作らせた神がオオタタネコノミコトだということが書かれていて、それを読んだ私は髪が総立ちになるくらい驚いたのでした。なぜ??
私が初めてホツマツタヱに出会ったのが20数年前。
そこに書かれているアワの歌を歌い出したのが15年くらい前。
そして今八雲琴に出会ってアワの歌に伴奏を付けて歌っている。
その八雲琴はオオタタネコノミコトが中山琴主に作らせたお琴。
そして
オオタタネコノミコトはなんとホツマツタヱの編纂者!!!
ホツマツタヱーアワの歌ー八雲琴が一本の線で繋がった瞬間だったのでした。
このお琴を大切に大切に弾いていこうと決心した瞬間でした。
長い文章をお付き合いくださって、有難うございました。
このお琴にはいろいろなエピソードがあるのですが、もう一つ大切なエピソードがあるので次回お伝えしますね。